営巣したフクロウの様子
谷戸沢廃棄物広域処分場では、処分場が周辺環境に与える影響を調べるため、処分場から出てくる水質や発生ガスなどの環境調査を定期的に実施しています。
また、こうした化学的視点から行っている調査のほかに、生き物を指標とした「生態モニタリング調査」も定期的に実施しています。 生態モニタリング調査は、処分場に生息する生き物の種数や、その変動について調べることにより、処分場が外部環境への影響を与えていないことを確認するものです。
この調査の一環として、平成22年度から谷戸沢処分場内に大型巣箱を設置し、フクロウの営巣状況を調べるという調査を実施しています。
フクロウは国内各地の里山や森の中で見られる大型の猛禽類(フクロウ目)です。猛禽類は生態系ピラミッドの頂点に位置する肉食の鳥類です。このフクロウが生息、そして繁殖活動が行えるという環境は、彼らの生活を支える「礎(いしずえ)」がその地にあること、つまり、生態系の豊かさや、多くの生き物がその場所にいることを、フクロウの「存在」をもって示してくれます。
ヒナの誕生
谷戸沢処分場では、処分場の造成が始まる以前よりフクロウの生息が確認されていました。このため、処分場の敷地内に大型巣箱を設置し、森林生態系の上位に位置するフクロウの生活を見守ることで、処分場が外部環境に対し影響を与えていないことを調べようという取組を始めました。
平成28年2月16日に、設置後初めて抱卵が確認され、その後、2羽のヒナが無事に巣立つことができました。その経過状況について見ていただければと思います。
谷戸沢の森の中へ飛び立った2羽のヒナたちは、まだしばらくは上手く飛ぶことや餌を取ることはできません。巣立ち後、約3ヶ月程度は親フクロウと一緒に暮らすようです。
谷戸沢の森の中で、フクロウのヒナたちがすくすくと育ってくれるといいですね。