平成13年度 二ツ塚処分場の水質等調査結果について(概要)
東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合
平成13年度に二ツ塚処分場関連で水質や発生ガス等について実施した調査結果の概要である。
問題となるような結果はなく、安全性が改めて確認された。
鉛が7月(0.009mg/L)、10月(0.008mg/L)、2月(0.029mg/L)及び3月(0.005mg/L)に、セレンが11月(0.001 mg/L)に検出されたが、協定上の基準値以下であり、その他の有害性重金属等は検出されず、特段の問題はなかった。
平成13年度を通じ、有害性重金属やPCBが検出されないとともに、窒素などはいずれも下水道へ放流するための基準を十分満足した。
水素イオン濃度(pH)が6月(9.0)、7月(8.6)及び9月(8.6)に、生物化学的酸素要求量(BOD)が、6月(8.0mg/L)、7月(3.9 mg/L)及び9月(2.2 mg/L)に、化学的酸素要求量(COD)が6月(14mg/L)に、浮遊物質量(SS)が6月(47mg/L)に、また大腸菌群数が6月(2400MPN/100mL)及び7月(1700MPN/100mL)に準用基準値を超えた。 これは、2期工事の現場から発生した濁水の一部が防災調整池に流入し、これらの項目が高くなったものと考えられる。
なお工事中の濁水については、仮沈砂池を作り、濁水の防災調整池への流入をできるだけ未然に防止するとともに、流入した濁水についても濁水処理プラントを設置し、公共用水域への影響を緩和している。
カドミウムなどの有害性重金属は検出されず、地下水環境基準を満足した。
電気伝導率(この基準値はない。処分場からの影響をみるひとつの指標)は、平成12年度と比較して、大きな変化はない。
いずれの井戸からも、有害性重金属などは検出されず、地下水環境基準を満足した。処分場下流部のモニタリング井戸の3ヶ所で、塩化物イオン(基準値はない。
処分場からの影響をみるひとつの指標)が、10mg/Lを超える月があった。
これは冬期に、近接する秋川街道に散布された凍結防止剤(塩化カルシウム)の影響と考えられる。
その他の井戸については、埋立開始前と同じレベルであり、これらの井戸には埋立による影響はないと考えられる。
有害性金属やPCB等では、12月にセレン(0.001mg/L、基準値は0.3mg/L)のみが極微量検出されたものの、その他の項目はいずれも検出されず、公害防止協定を満足した。
発生ガスでは、アンモニア、一酸化炭素、エチレン、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン及びキシレンが検出されたが、公害防止協定の基準値を下回っていた。
また、臭気濃度では敷地境界の2地点では、8月に基準を超過したが、臭質が土ほこり臭であることと風向から埋立作業の影響とは考えにくい。
土壌粒子飛散はすべて公害防止協定の準用基準内であった。
機械振動による騒音では、埋立作業開始前の時間帯に秋川街道の走行音や水の音により基準値を超えた地点があった。
道路交通による騒音は、処分場の関係車両が通過しない早朝や夜間にも基準を超えており、搬入車両の通行時間帯とその前後の騒音レベルがほぼ同じであることから、処分場関係車両はほとんどこれに関与したものではない。
振動は、全地点で準用基準内であった。
大気質については、いずれも環境基準を満足していた。
底質については、溶出及び含有(銅)試験とも全ての項目で定量下限値未満であり公害防止協定の基準値を下回っていた。
土壌については、溶出試験では2地点とも鉛が検出されたが、公害防止協定の基準値を大きく下回っていた。
また含有試験で銅が微量検出されたが、公害防止協定の基準値を大きく下回っていた。
以上、処分場内や周辺の水質、大気等の数多くの調査結果から、問題となるような結果はなく、周辺環境に影響を及ぼしていないことが確認された。
なお、検出されないとは、それぞれの化学物質ごとの定量下限値(数値を量ることができる最低のレベル)未満のことをいう。
調査結果の詳細は、「二ツ塚処分場の水質等調査結果について(平成13年度第4四半期)」に登載