平成12年度 谷戸沢処分場の水質等調査結果について(概要)

平成13年6月14日
東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合

平成12年度の谷戸沢処分場関連の水質や大気等の調査結果の概要である。
全体的には、問題となるような結果はなく、安全性が確認された。

水質の調査結果

1.浸出水原水(ごみの層を通った水)

有害性重金属等は検出されないなど、水質に問題はなかった。 なお、平成12年度を通じ、生物化学的酸素要求量(BOD:生物分解可能な有機物の量をみる一つの指標)や化学的酸素要求量(COD:有機物の量をみる一つの指標)の減少傾向がみられたが、これは、埋立終了や最終覆土層施工に伴って、廃棄物から洗い出される有機物量が減少し、安定化傾向を示しているものと考えられる。

2.下水道放流水(浸出水原水を処理した後、下水道に放流している水)

4月に一時的に基準を超えた全窒素(153mg/L、基準:120mg/L)は、必要な対策を講じたため、4月末以降は基準値を遵守している。
平成12年度を通じ、カドミウムなどの有害性重金属は検出されないなど、全ての項目で下水道へ放流するための基準を十分満足している。

3.防災調整池(埋立地外や最終覆土表面の雨水が集められる防災用の池)

平成12年度を通じ、有害性重金属などは検出されず、水質汚濁に係る環境基準(水質環境基準:年間平均値で評価する)を満足した。

4.地下水集排水管水・地下水管2水(埋立地内の地下水)

カドミウムなどの有害性重金属は検出されず、電気伝導率や塩化物イオン濃度(これらの基準はない。処分場からの影響を見る一つの指標としている。)も、特段の変化はなく、問題はなかった。
なお、これらの地下水は全量を浸出水と同様に水処理してから、下水道に放流しているため、周辺環境に影響を及ぼすものではない。
なお、電気伝導率の常時観測(地下水管2水)の結果を図に示す。

地下管2水の電気伝導率の推移

5.モニタリング井戸(処分場内1本と周辺民家の9本の井戸)

一部の井戸(2本)で3月のみ鉛が検出され、地下水環境基準(0.01mg/L)を一時的に超過したが、準用している環境基準は年間平均値で評価することになっており、その値はいずれの井戸も定量下限値未満であり、基準を満足している。
なお、鉛は、平成11年度から12年度にかけては、浸出水等や、本設モニタリング井戸では、地下水環境基準を超える鉛は検出されていないことから、処分場からの影響ではなく、検出されたのは井戸周辺の土地利用等の影響ではないかと考えられる。
その他の井戸については、有害性重金属などが検出されないなど、全ての井戸で地下水環境基準に適合している。

6.本設モニタリング井戸(埋立地を取り囲むように設置されている10本の井戸)

いずれの井戸も地下水環境基準や要監視項目の指針値を下回っていた。
下半期では、7本の井戸からフタル酸ジ-2-エチルヘキシルが検出(0.0005〜0.0056mg/L)されたが、指針値(0.06mg/L)を下回っていた。また、すべての井戸からニッケルが微量に検出(0.002〜0.013mg/L)されたが、基準値もなく問題のない濃度であった。この他の安全性を確認する項目の化学物質は、全て検出されなかった。
また、井戸が掘削された所の地質の特性を受け、イオン成分の濃度に違いはあるが、これらの井戸の水質には問題はなかった。

7.下流部調査(処分場の下流部の99本の井戸(観測孔))

平成12年3月末、下水道放流水の配管工事の際に、下水道放流水の一部が流出した影響を受け、塩化物イオン濃度が10mg/Lを超える観測孔が30本となったが、その後、ただちに洗浄等の対策を講じ、以降は回復傾向を示している。下半期は、10mg/Lを超える観測孔は19本に減少している。
なお、下水道放流水の影響を受けていない観測孔の多くは、10mg/L以下であり、全体的には、安定化傾向を示した。
処分場の下流部の井戸が安定化していることからも、処分場周辺には影響を与えていないことが推定できる。
また、これらの観測孔は、設置されている場所別に4区域に分類しており、各区域の塩化物イオンの平均値を図に示す。

下流部観測孔の各区域の塩化物イオン濃度(平均値)の推移

発生ガス等水質以外の調査結果

1.脱水汚泥溶出試験(浸出水処理施設で発生した汚泥を決められた条件で溶出させた溶液の濃度を測ったもの)

カドミウム等の有害性重金属は検出されなかった。
なお、この汚泥は二ツ塚処分場内に埋立てており、周辺に影響を及ぼすことはない。

2.発生ガス(埋立地内のガス抜き管から採取したガス)、悪臭調査

アンモニア、一酸化炭素が検出されたが、公害防止協定の基準値を下回っていた。
悪臭は、臭いが感じられない濃度(10以下)であった。

3.底質(川、池等の水底の泥などの堆積物)

通常の土壌のレベルで、汚染は見られなかった。

4.大気質(二酸化いおう・一酸化炭素・浮遊粒子状物質・二酸化窒素)

8月と2月の年2回調査を行った中で、新玉國稲荷社のSPMの最大値が、0.673mg/立方メートル(7月25日:13:00〜14:00)また0.386mg/立方メートル(7月28日:8:00〜9:00)と一時的に基準値を超過したが、その前後の時間帯は基準値未満であった。
谷戸沢処分場は、すでに埋立が終了しており、処分場からの影響とは考えられない。
他の日は、いずれの項目も基準値内であった。また多摩地域一般環境大気測定局の結果と比べても、同等またはこれを大きく下回っていた。


以上、処分場内や周辺の水質、発生ガス、底質等の数多くの調査結果から、問題となるような結果はなく、周辺環境に影響を及ぼしていないことが確認された。

また、技術委員会(廃棄物分野で著名な学識経験者により構成されている委員会)で、特段の問題はないと評価されたものである。

なお、検出されないとは、それぞれの化学物質ごとの定量下限値(数値を量ることができる最低のレベル)未満のことをいう。

調査結果の詳細は、「谷戸沢処分場の水質等調査結果について(平成12年度)」に登載。


閉じる
ページトップへ